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Chanmanの日記

作家と読書とセルフコーチングのブログ。 私の作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しております。

アリスとの日常 2

アリスと弓矢

 

弓の手入れをしていると、アリスは不思議そうにその作業を見続けていた。彼女はテコでも動きそにないほど食い入るようにじっと見つめていた。

次第にその作業を手伝うと言い始め、油で表面を拭き取り、手触りを良くする作業を教えてあげた。器用に弓を磨いていたが、次第に自分の弓も欲しいと言い出したのだった。それならばと森を探検することになった。

 

「どんな木でもいいの?」

「そうだな、できれば真っ直ぐな木がいいね」

「じゃあ、いっぱいあるよ」

「本当かい?そこまで案内してくれる?」

「わかった」

 

森の中を元気に走り回るアリスを見ていると、危なっかしく思うものの、安心もしていた。始めてあった彼女と今の彼女でははるかにその外見の様子が変わっているからだ。朽ちかけていた体と、今の体を見れば一目瞭然。その目には活力が満ち溢れ、活発に動き回るようになっていた。

 

「ロビン、ここ」

「えっと……」

 

確かにまっすぐなのではあるが、それは木のようで木ではない、竹と呼ばれるものだ。辺り一帯に広がる竹林は思い思いの方へと伸び、見上げればその竹の笹が光を遮るように無造作に生えていた。

 

「ね? いっぱい」

 

弱った……竹で弓矢を作ったことも作くれるのかさえも知らない。しかし、この期待に満ちた目で見られてしまっては応えてあげたくなるものだ。

 

「よし、一本切って持って帰ろう」

「おー」

 

明るく元気に答えるアリスは飛び跳ねながらロビンの周りを回った。本当に最初に会った頃に比べると、元気になったものだ。生気すら感じなかったあの頃はどこへ行ってしまったのやら。もともとはこんなにも明るい少女だったのかと改めて思わさせられる。

 

まっすぐな竹を鉈で切る。根の部分を持ち上げると以外な軽さに驚いてしまった。これなら簡単に小屋へと持ち帰ることできる。アリスは喜んであたりを転げ回っていた。

 

以外にも弓は簡単に作ることができた。

適当な長さに切り、縦に鉈を入れると綺麗に割れたのだ。その工程を繰り返し、アリスの握りやすい幅に切りあわせる。木と同様で外皮の方が強い繊維が集中している。アリスの力でも弦を引くことができるように内側を削り出す。少しナイフを傾けてやれば簡単に削れてくれる。ささくれが手に刺さらないようにナイフを立てて丁寧に角を取れば全体が滑らかになった。両端に弦をかけるくぼみを作れば、弓本体が完成する。

そして竹をさらに細く細く糸のように削り、それを三つ編みにして弦を作った。くぼみにその弦をかけるば弓の完成だ。

ついでに矢も竹で作ってみた。

 

「ロビンできたの?」

「ああ、完成だ!」

「わー! わたしの?」

「ああ、アリスのだよ、ほら」

「やったー! 嬉しい! ロビンありがとう!」

 

受け取り無邪気に喜ぶ姿は作った甲斐があったと思わさせられる。弓矢の扱い方を教えると初めはびっくりして怖がっていたが、だんだんと慣れていった。的も作って的あてをして一緒に遊ぶ時間はあっという間に過ぎていった。