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Chanmanの日記

作家と読書とセルフコーチングのブログ。 私の作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しております。

魔女狩り、ダメ、絶対!

安住の地

ーー冬の前触れ 切り取られた絵を見れば、誰もがそう名付けるであろう光景が、目の前に広がっていた。枯葉は膝の上の高さまで降り積もっている。 命の輝きを迸らせる初夏を迎えようとしているのにもかかわらず、季節外れの光景が絶望を感じさせる。 息をして…

魔女狩り 2

閉じられ瞼に日の光が容赦なく差し込んできた。眩しさに顔を顰め、ゆっくりと体を起こす。ぼんやりと視界を取り戻し、頭を左右に振り、状況を確かめるとロビンは自分の部屋のベッドで眠っていた。ベッドの脇にはカレンが椅子に座り、頭がこくりこくりと動い…

魔女狩り 1

村の中央、村長の家の近くの広場に村人たちが一堂に集まっていた。以前どこかで見たような光景が脳裏をよぎり、昔の知人の安否が少しばかり気になった。その中央に立つのは小太りの男と、全身を鎧で覆った苦境な男。以前と変わらない欲にまみれた姿と笑みを…

アリスとの日常 3

イチイの木 いつかは自分用に新しく弓を作る必要があるとロビンは思っていた。弓には最高の材料を、と探していたが、案外どこにでもある木がそうなのだ。しかし、どの木を見ても納得の行くまっすぐに伸びた木を見つけるのはなかなか困難だったが、アリスはい…

アリスとの日常 2

アリスと弓矢 弓の手入れをしていると、アリスは不思議そうにその作業を見続けていた。彼女はテコでも動きそにないほど食い入るようにじっと見つめていた。 次第にその作業を手伝うと言い始め、油で表面を拭き取り、手触りを良くする作業を教えてあげた。器…

アリスとの日常 1

アリスと魔法 アリスとの生活は非常にゆっくりとした一日を送っている。張り詰めた空気は一切なく、その日その日を味わうような生活だった。 朝起きて、朝食を取って、森を探索し、薬草や花、いつも食べている木の実を集め、食事をとり、昼寝をした。椅子に…

生き方

アリスがよく食べているこの木の実は、母が採り方、乾燥の仕方、高い栄養を備えていると教えてくれたものだ。このあたりの木は実をよく実らせていたため、食べることに困ることはなかった。 何年も食べ続けていた木の実が、この一週間味気のないものに感じて…

ロビンの過去

帰ってこない。 いつでもお腹を空かせて帰って来てもいいようにと、少しばかり贅沢な夕食を準備してロビンを待っていた。彼が一人で狩りに行ったことは何度もあった。その度にお腹を空かせて帰ってきたロビンのために、夕食をいつも準備していた。そんな姿を…

魔女との出会い

夜明けを告げる光が、ゆっくりと森の中へと差し込まれる。 それを拒むかのように、朝靄が木々の間を縫うように漂う。誰もがその森へ足を踏み込めば道を失い、獣さえも視覚以外の感覚に頼らざるを得ないような深い白が覆っていた。 獲物との距離をじわじわと…

新しい村と魔女の森

広い草原を抜け、山々を駆けた。途中、小さな村を訪れ、仕留めた獲物を売り、旅の資金を稼いだ。狼に困っている村で狼退治をしたところ、村長の娘と縁談を持ちかけられたが丁重に断った。たまたま出会った気の合う商人と一緒に異国の珍しい酒を飲んだ。港町…

プロローグ 新しい出発

「もう、やめよう……」 彼は、返り血と泥だらけの自分の姿を見てそう呟いた。 領主に傭兵として雇われた。戦う内に、最強の弓使いと讃えられることに誇りをもっていたが、いつのまにか人に矢を放つことも平然とやってのけていた。 多くの命をこの弓で捕らえた…